大学院は通信制が一番!


                                                      

                              国際情報専攻3期生     木村栄宏

                 

 2003年1月26日、修士論文の口頭試問が行われました。正直、ここまで辿り着けるかどうか、かなり心もとなかった、というよりは一時は諦めておりましたので、心は大変歓喜、歓喜で一杯でした。

 といいますのも、私は大学院修士論文というと、挫折の経験がございます。10年近く前に、今ほどは騒がれていなかったですが、当時社会人向けの夜間大学院があるということで、個人的に勉強しようと入学したことがあります。しかし、社会人10年目頃であり、当時の勤務先人事部からは「仕事で無理だ、やめとけ。バックアップできない」と冷たくされました。執念?で当初通ったものの、結局休学の末に中退、修了に必要な修士論文の指導も受けられませんでした。当時、本学のような通信制による大学院があれば!!と悔しく思ったものです。

 それから月日は流れ、何とあの時待ち望んだ通信制大学院があることを知り、トライしたのが2年前、その時は以前の勤務先破綻により職を変えておりましたが、通信制大学院に出会ったのも縁だ、必然だ!と勉強を開始致しました。

  尊敬するゼミの恩師五十嵐先生はじめ、すばらしい先生方と同期生にも恵まれ、通信制といいながらもリアルのやり取りや研究会、勉強会など大変盛んであり、きめ細かな指導と交流と遊びもしっかりありまして、当初は修士論文は2年間あるんだから「何とかなるぜ」とおっとり構えておりました。自分の資料集めよりも同じゼミの同期生のテーマに関係ある資料を集めちゃったりして紹介なんぞしたり、と「かなり余裕」の雰囲気でした。ところが!!またまた勤務先の破綻に遭遇し、修士論文どころではない、「また挫折か・・・・よっぽど修士論文には自分は縁がないのかも・・・・」とガックリきまして、「留年」を覚悟し、まずは転職探しを優先。

 おかげさまで転職しましたが、破綻した前勤務先で受注契約していた仕事が残っており、完遂させる社会的責任もあり、転職後も当初土日はそちらの作業に時間をとらざるをえない状況。こうなりますと、とても修士論文どころではありません。2年目の秋になり、いよいよこれは留年だ!と、密かに「同じように留年しそうな同期」とコンタクトをとりあい、牽制??しあいながらも、「留年するのは1人じゃないんだ」と来年に向けて頑張ろうとしておりましたが、暖かい五十嵐先生の指導とたゆまない励まし、必要資料も大変ご多忙なのにわざわざ入手のご尽力をしていただくなど、「これはとにかく先生の恩に報いるためにも期限どおり書き上げなければ人間がすたる!」と気を新たに致しました。

 早速、インフルエンザの予防接種を行い(そうです、論文書くには身体が資本であります)、年末年始の長い休みには最後のスパ−トだと、何と元旦以外は家族からも離れ、友人の普段使っていないマンションの一室にこもり、集中いたしました。いよいよ提出時間が迫り、「やはりこりゃあ提出できないかも・・」とくじけそうになりつつも、最後は五十嵐先生とゼミの仲間の顔を思い浮かべ、同じように留年しそうなゼミの心の友とも励ましあい、ついに提出!致しました。

 振り返れば、瞬く間の修士論文奮戦でしたが、大学院は通信制に限ります。何故なら、本当に勉強したい人が、全国各地(海外も含めて)から参加でき、ITを駆使しつつ、リアル面でも様々な年齢の方との交流ができ、本当の意味での生涯学習・リカレント教育として最適だと考えます。通信制であれば勤務先に迷惑かけることもなく、通学制の時間的・空間的制約を受けることもなく、一時のブーム?的に通学されようとする(とは言い過ぎですね、すみません!)方たちとは違い、通信制大学院という、真の勉学、向学心に溢れた学究の場に参画できたことを、心から感謝しております。これから修士論文書く皆さんも、本学での出会いを大切にして、是非頑張りましょう!!