「修士論文提出への道」


                                                      

                              人間科学専攻3期生  矢吹 祥子

                 
1.大学院入学の動機

 私が大学院入学を志したのは、社会人3年目になって、「できれば論文の形で、今現在の自分の考えを文章に書き残したい。」という思いを強めたからでした。このころは、「仕事」や「働くこと」について、あれこれ考えを巡らせている時期でした。そして、大学院の2年間を経て、「現代若年女性勤労者の職業観と生活観」というテーマの修士論文を完成させました。

2.入学後の日々

 本大学院は社会人大学院ですので、社会人である学生には、在学中にも人事異動、配置転換、退職、転職等の仕事における変化、それに伴う転居等身の回りの変化が起こる可能性は高いと思われます。私自身も、1年生の終わりに退職、引越しをし、2年生の初めに転職をしました。
 1年次は、履修科目のレポート提出に手一杯で、修士論文の準備は、インターネットで図書館のOPACから文献を探し、入手して少し読むという程度でした。
 2年次には、修士論文を完成させたいという気持ちを無くした事はなかったものの、転職後の新しい仕事や職場に慣れるのに必死で、修士論文の準備が遅々として進まない日々が続きました。

3.修士論文執筆着手

 2年次の10月、仲の良い友人が外国に渡ることになり、その時、「これ、本屋さんで見付つけたんだけど、論文のテーマに近いんじゃないかと思って。」と、本を1冊手渡されました。この友人の励ましが修士論文執筆スタートの合図となりました。
 まとまった時間の取れる年末年始が正念場だと思ってはいたものの、冬といえばカゼ、貴重な年末年始にカゼをひいてしまっては、勝負所だ正念場だとの意気込みも泡と化すと考え、修士論文執筆に着手すると同時に、私は体を鍛えるためのトレーニング・ジム通いを始めました。
 12月末、「修論追い込みがんばってね。くれぐれも体調だけは崩さないように。」とのトレーナーからのメッセージを胸に年末年始を迎え、カゼをひくこともなく、修士論文の仕上げに取り掛かることができました。

4.修士論文完成

 年が明けた今年1月、修士論文の原稿を持って、新宿のkinko'sへ行き、製本してもらいました。自分の書いた論文が、幾ばくかの重量を伴った1冊の本として手にできるのはうれしいものですね。
 1月末、市ヶ谷での口述試問をドキドキしながら終え、2月の今、「修士論文奮戦記」を書くに至っています。

5.本大学院で修士論文を書き終えて

 修士論文を作成する2年生になって、所属する北野ゼミでは7月、8月、12月の3回、ゼミ員の皆さんの修論構想をうかがう機会がありました。その度に刺激や影響を受け、encourageされたものでした。また、体調を崩した時など、メールで気遣ってもくださいました。一方で、私が皆さんの修論作成にもっとお手伝いできることがあったのではないかと申し訳なく思っています。
 社会人を対象とし、かつ通信制である本大学院では、先生や学生が直接顔を合わせる機会は多くはありません。しかし、その数少ない機会に顔を合わせた時の心の交流の深さは通学制以上かもしれません。一堂に会するゼミをたびたび開くことはできないという制約はメールのやり取りが補完しています。
 メールだから言えることもあれば、直接顔を合わせてはじめて伝わることもあるという相互補完のちょうど良い関係が本大学院には備わっていると思います。非常に楽しい時間を過ごすことができました。
 修士論文を提出し終えた今、5年後、10年後、自分の修士論文を読み返してみた時、「ちょっとはずかしいな」と思えるように成長していたいと思っています。

 最後になりますが、これから修士論文作成にとりかかる皆さまが、あせらずあきらめず、提出の日を迎えられますよう陰ながら応援しております。

以上