名古屋シンポジウム&見学会
時事問題を語る会 経営研究会 合同主催
名古屋シンポジウム「すぐれた国際感覚とは?」





国際情報専攻3期生 立石佳代

国際化をめぐる企業のあり方に焦点をあて、日本を代表する産業が集まる愛知県にて、シンポジウムを開催しました。グローバル・ビジネス・マネジメント時代に向けて、「未来に亘って優れた企業(Excellent Company , Visionary Company)の要件は何か、21世紀の多国籍企業の行動はどうあるべきか」について、を議論しました。

開催日時: 2002年10月13日日曜日 午後2時〜4時15分
開催場所: ウィルあいち(愛知県女性総合センター)2階 セミナールーム
指導教官: 五十嵐雅郎教授・乾宇一教授
参加者 : 修了生(国際情報専攻) 村上恒夫氏(時事問題を語る会会長)、澤田徹氏
国際情報専攻3期生 石井忠史氏(経営研究会会長)
花岡宏伸氏(経営研究会副会長)、立石佳代
国際情報専攻4期生 長谷川昌昭氏・江口展之氏
人間科学専攻4期生 田中聡氏
一般からの参加者各位を含めて合計34名
企画・広報担当: 国際情報専攻3期生 落合仁子氏
アドバイザー : 文化情報専攻3期生 川田基生氏

プログラム
2:002:05 開会の辞 村上恒夫氏
2:053:00 基調講演 五十嵐雅郎教授
3:054:00 シンポジウム パネラー:石井忠史氏、澤田徹氏、立石佳代
4:004:15 閉会の辞 乾一宇教授

基調講演
五十嵐雅郎教授
   
演題:企業に求められる優れた国際感覚
      トヨタ自動車の世界戦略を中心に−
 1.世界ナンバーワンの自動車企業トヨタ自動車
 2.日本一のビジョナリー・カンパニーに−確固たる経営理念のもと国際化に対応
 3.経営戦略の強化は1990年代から、加速したのは奥田現会長の社長就任以降
 4.トヨタグループ連邦経営を貫く
 5.「ナレッジ・マネジメントに注力」し、「グローバル人事制度」を採用
      トヨタ流日本的経営−海外に「トヨタウェイ2001」を

シンポジウム(発表順に)
「トヨタ自動車の財務指標と財務活動」 石井忠史氏
  1.財務に関するトヨタイズム
  2.財政状態を示す貸借対照表の内容が優れている
  3.損益指数を示す損益計算書の内容が優れている
  4.1人当たりの損益指数が抜群であること
  5.その他の重要指数も財務運用の良さを示している
  6.トヨタの連結決算作成基準…日本基準と米国基準の違い
  7.14.10.6.PM9〜11「ガイヤの夜明け特別版」芸術祭参加作品
   −大地中国を駆ける…王者トヨタ中国に挑む、その戦略に完全密着−
  8.結論
企業の地球環境保全に対する責任−事例:自動車産業」 立石佳代
  1.自動車産業の環境負担−主な環境課題と環境政策
  2.自動車産業の環境対応
  3.クリーンエネルギー車の研究と実用化
  4.地球環境保全に対する責任と環境経営
  5.トヨタ自動車の環境マネジメント 環境経営−環境保全と利益の両立
「企業の社会における役割とNPOとの連携」 澤田徹氏
  1.企業の社会における役割
  2.NPOとの連携
     NPOとは?
 
    社会貢献活動におけるNPOとの連携の事例:トヨタ自動車
 
    トヨタ財団     
  3.NPOとの連携〜連携のあり方と今後の課題

※当日の配付した資料他を掲載中
  http://atlantic.gssc.nihon-u.ac.jp/~committee/nagoya/
                     (時事問題を語る会 落合事務局長作成)
※地元新聞、情報誌で紹介されました。
  『中日新聞』2002年9月24日付
  『月刊ニック・ニース No.223』、財団法人名古屋国際センター、200210
シンポジウムのテーマに精通した参加者が多く、早くも第二弾の開催が望まれています。

1014日「愛知のモノづくりに触れる見学会」
   参加者:乾一宇教授、長谷川昌昭氏、村上恒夫氏、澤田徹氏、立石佳代

見学施設の紹介
トヨタグループ「産業技術記念館」
 産業技術記念館では、繊維機械と自動車の技術の移り変わりが見学できます。
 繊維機械館では、人類が発明した最も古い技術のひとつ「紡ぐ・織る」を、初期の道具から機械、現代のメカトロ装置への移り変わりと、技術進歩の素晴らしい紡績機械90台を模型や映像、実演でわかりやく紹介しています。豊田佐吉は、数々の織機を発明しました。繊維事業で得られた資金と技術は、自動車への開発に向けられたといわれています。
 自動車館では、創業期から飛躍的な発展を遂げた自動車の基本的な仕組みや研究・開発技術、生産技術などを実物やカットモデルで紹介。車づくりの代表的な技術とその進歩の過程を、時代をおって、現代までを一覧することができます。本物の機械の実演はリアルで迫力満点でした。

ノリタケの森(近代陶業発祥の地)
 世界有数の総合食器メーカーであるノリタケが、日本の洋食器の歴史を紹介。
 ミュージアムでは、初期のノリタケ製品「オールドノリタケ」が展示されています。華麗な曲線を描いたアール・ヌーヴォー作品やアール・デコ様式など、歴史的、文化的価値の高い作品を鑑賞できます。
 クラフトセンターでは、生地の製造から面付けまでの技術を目のあたりにできます。
 さらに、高品質の食器から、日常づかいの食器販売のコナーも設置されています。

この2つの見学施設は、JR名古屋駅から約10分程の名古屋市西区則武(ノリタケ)新町というところにあります。国内外から見学に訪れるという人気のスポットです。
 産業文化圏愛知では、社会、経済を発展させ、人々の生活を豊かにする基本は「モノづくり」と考え、「モノづくり」とそれに必要な「研究と創造の精神」の大切さを伝える試みを行政や教育の場、企業の枠を超えて行われています。
 今回の見学会で、地場産業の成長と発展、「モノづくり」の取り組みについて、知ることができました。

 皆様のご協力で、今回のシンポジウム&見学会は大成功でした。
 個人的には、研究発表の機会が得られことを幸運と受け止めました。これを機に、研究に励み、次回の研究発表の際には、ステップアップしてみせるなどと思っております。
 五十嵐雅郎教授、乾一宇教授には、準備段階から開催終了後まで、親身になってご指導をいただきました。感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。