国際情報専攻 池田昌弘

「リサイクルされない新聞」

 情報は双方向伝達が原則である。しかし、新聞はメディアの大きさ・販売形式・紙媒体等であるために、情報は新聞記者から購読者に向かう、一方向の伝達となっている。

 現在、インターネット上のパソコンソフトやインターネット新聞では、顧客からの情報が必要不可欠である。例えば、顧客からの指摘がパソコンソフトの不具合改善や機能向上を実現している。インターネット新聞では、全購読者が瞬時にクリック一つのアンケートで、各記者に顧客満足度を伝達している。しかし、新聞にはこのような全購読者を対象にした仕組みは無い。その結果、各記者は新聞業界内での自己満足でしかないスクープ合戦を第一に取り組み、購読者不在となっている。購読者・顧客から孤立したメディアである新聞が、購読者の支持や記事の質を向上させる可能性は少ないのではないだろうか。

 すなわち、情報がフィードバック・リサイクルされない新聞は無用なのである。