「【ケア問題ネットワーク】への呼びかけ」







人間科学専攻4期生
 田中哲也

今日の社会は、さまざまな問題を抱えています。人口構成の高齢化・少子化、急速な情報通信技術の高度化、産業構造のソフト化・サービス化、自然環境/生態系との共生などなど。変化はヒトから自然に至るまで広範多岐にわたっております。
 こうした時代の中で、人と人との関係や社会のありかた、ひいては自然とのつながりの回復などが課題としてクローズアップされてきているのではないでしょうか。私たちはそうした課題を読み解き、時代を切り拓くキーワードとして、【ケア】を考えてみたいと思っております。
 現在、多様な意味で使われているこのタームにさまざまな角度から光をあてて、【ケア】の本質に迫り、現在に生きる自分たちの存在を照らし出してみたいと考えます。【ケア】の現場は医療や福祉という狭い意味での特定の領域に局限されるのではなく、人と人とが関係し交換し交流する現場それ自体が実は【ケア】としての質をもっているといえます。広くは、ヒトと他の生物種との交流から生態系全体との不断の相互浸透過程までも含めて、あらためて【ケア】として考察する必要があるのかもしれません。こうしたかなり欲張った問題意識を持ちながら、できるだけ普遍的なパースペクティヴから追究すべき課題として【ケア】を考えていきたいと思っています。専攻の枠を超えて多くの関心のある方に集まってもらえればと願って、ここに呼びかけます。

《今、考えている企画案》
 ケアというと、ほとんどの場合、施設における専門家による「ケア」であるのが現実である――こう言って過言ではありません。そこで、
1.施設をこえた取り組み:在宅・地域での実践から……
2.専門性をこえた取り組み:当事者、家族の実践から……
3.官製をこえた取り組み:NPO、ボランティアの実践から……
など。例えば、こうした取り組みをされている方々と交流したり、実際にその現場を訪れたり出来たら良いな、と考えております。なかなか忙しい私たちですが、既成の勉強会というスタンスとは若干ニュアンスの異なる会合とつながりを創りたいと思っている次第です。これで決定、というわけではありません。どしどしご意見を下さると幸いです。皆さんの熱意と知恵に期待します。

《基本的心得》
 この会は特定の宗教や思想信条から自由な会でありますので、そうした趣旨での活動を行なうものではありません。ご承知願います。

《顧問および発起人代表、等》
顧問:人間科学専攻 佐々木健教授
発起人代表: 野明厚夫(人間科学専攻 佐々木ゼミ3期生)、白鳥孝子(同)、吉澤千登勢(同)、田中哲也(同4期生)、山田順子(同)
連絡先:野明、田中、山田。