「3つめの果物」





国際情報専攻4期生
児嶋寧代

はじめまして。国際情報1年生として皆さんの仲間になりました。よろしくお願いします。

現在、勤務する会社で広報室に所属しており、PR(企業広報・営業広報・アニュアルレポート作成)とER(社内報発行など)を担当しております。社内報は月1回発行で、企画・取材・記事作成・マックによるイラスト構成など、印刷以外の工程を3人で全て手作りで作成し、約4,000人の社員へ届けています。経営と社員の双方向コミュニケーションツールとして、毎回興味をもって読んでもらえる内容を企画し、締め切りと戦いながら、生みの苦しみを充分に味わっています。(笑)

そのなかで、経営者にインタビューするコーナーがあり、『タモリの笑っていいとも』のノリで、次のインタビューを受けてくれる経営者を紹介いただく企画があります。毎回、普段はアポイントさえ取れないような、さまざまな業界の社長にお会いして、毎回テーマを設定し、起業の苦労話や新製品のオフレコ話などを伺い、とても刺激的で勉強になるおいしい仕事をしています。過去には、同時に某二枚目俳優(輸入会社を経営)や有名県知事他のご紹介を受け、この中から一人を選ぶというなんとも口惜しい勿体無いこともありました。

先日は、ギリシャのジュエリーやバックを扱うブランドのF社長にお話を伺ってきました。(若い女性なら必ず一つは持っているブランドです)F社長は何度か会社を替わり、その経験をもとに38歳で会社を起業され、ステップを着実に上ってきた方ですが、実体験に基づくお話は、いとも簡単に今のブランドを作ってきたかのような穏やかな話し振りで、まるで苦労や失敗がなかったかのように、聞き手を錯覚させるような印象でした。(もちろん実際は沢山あったそうですが・・・)

そのお話の中で特に印象に残ったのは、「起業なり何かをしようとするときに、実際は行動に移すのは難しいと思うが、いかがですか?」と質問したところ、「それはとても簡単です!両手にもっているリンゴとバナナのどちらかの手を放して、その空いた手で、自分の欲しい次のものをとるだけですよ。人によっては、それは会社を辞めることかもしれませんが。」とのこと。

手を離したのはいいが、次のをとり損なうこともありえる危険を冒してまではできない、勇気がない、のが普通です。人によっては両手が一杯なら、足を出してでも取ろうとする人もいるかもしれませんが(笑)。私自身もこの大学院に入学して、もしかすると3つめの果物を取ろうとしているのかもしれません。この3つめのために、今持っているものまでも失うことのないように足腰鍛えて頑張っていきたいと思う、今日この頃です。