「香港株式市場の見通し(2001年12月)



平成12年度修了生・国際情報 岡野直行

 

ハンセン指数はテロ事件後の922日に9,000ポイントを割り込み98年以来3年ぶりの安値をつけだ。その後は小康状態を経て、やや強含みで推移するようになっている。

<ハンセン指数のチャート>

   http://finance.yahoo.com/q?s=^HSI&d=1y

各国株式市場の焦点はテロ事件後の世界経済の動向だ。ところが景気回復は2002年後半までズレ込むことは間違いなから相場の柱が見当たらない。このため米国経済指標の底打ちを期待しつつ無機質な上下動を続けている。

ところで、世界的に厳しい環境でも、中国経済の受ける影響は相対的に軽微である。13億人の巨大な国内市場を有すると同時に、ユニクロ・モデル

<ユニクロのホームページ>

  http://www.uniqlo.co.jp/company/index.htm

に代表される圧倒的なコスト競争力が認識され、生産拠点としての魅力が台頭してきたからだ。WTO加盟に続き、北京オリンピックの準備がすすむ、向こう数年程度で世界経済の牽引車となる。

 

さて具体的な投資戦略だ。株価は世界的に業績悪化を織込む過程にある。しかし2番底には打診買いを考えみたい。いずれは利下げ効果が顕在化してくるからだ。ハンセン指数では再び1万ポイントを割る局面だ。

個別では、ジョンソン・エレクトリックに注目している。当社は小型モーターで日本のマブチと競合関係にある。8月に下方修正を発表してから株価はマブチに対し3割方よけいに下げている。

<ジョンソン・エレクトリックのホームページ>

   http://www.johnsonmotor.com/about-johnson/index.htm

<マブチ・モーターのホームページ>

   http://www.mabuchi-motor.co.jp/

部品業界に来年の業績を期待するのは難しいが、株価のほうは高値の1/3まで下落している。また、ほとんどの有力アナリストが当社のレーティングを売り推奨に転じたことで値動きも枯れきっている。

好材料は、2000年夏に立ちあげた日本電産との合弁事業。DVDCD-ROM・ゲーム機器などに使われる小型モーターを手掛ける。開発、販売及び顧客サービス等の本社機能は日本電産が担当し、生産は広東省にあるジョンソン社の工場で行う。滑り出しは順調だ。

<日本電産のホームページ>

     http://www.nidec.co.jp/index.html

以上