国際情報専攻 花井幸二

「誰のための総合雑誌か?  雑誌無用論より」

「総合雑誌は有用か無用か」との問いは、作り手である雑誌編集側の不安心理以外のなにものでもない。なぜなら、読者は自らの欲する情報を他の手段を用いて、必ず入手するからである。総合雑誌のメリットは、まさに論調の総合性にあるが、インターネットの課題検索等により我々は、常に必要な作業として情報の総合性に既に対応をしている。また、総合雑誌の編集が、アカデミズムとしての「論」を追求したり、ジャーナリズムとしての「説」を追求したりと、必ずしも定まったものではない。更に雑誌が、大衆の啓蒙を目指すものなのか、知識人による知的議論の場なのか。それらは、いずれも編集の基本方針として明確に示されなければならない。総合雑誌が有用か無用かという議論は、そういう意味において、読者ニーズに応える形で、編集側ではなく、あくまでも読者側が中心となる議論がおこらなければ、総合雑誌はやはり早晩無用となるというしかない。