《特別研究》 屋 久 島 旅 行 記
人間科学専攻 阿部津江子
【8月25日】
前日の行動分析学会の後鹿児島入りして屋久島へ出発の準備OK!
10:10発の高速船“トッピー号”へ乗船のため港へ向かうと、
真邉先生のお父様が港まで見送り?に来て下さっていた。(皆で記念写真)
ところが、台風11号の影響が以外にもこんなところで・・・
船が到着するはずだった「安房港」の桟橋が壊れているため船は欠航との事。
「宮之浦港」へ行く11:45の船に変更となる。
南の水族館の生物は、とっても色がきれい!イカもクラゲも神秘的な動き。
やっと乗船出来てひと安心、二時間ほどの船旅の後14:25屋久島“宮之浦港”へ到着。
早速観光バスに乗り込み、標高1200メートル付近の屋久杉ランドへ。
屋久島の杉は、全島が花こう岩に覆われた地質で雨だけが多く栄養はあまり無いために、生育に時間がかかり年輪が緻密である。幹の太さは本土の杉に比べて細くても、樹齢は本土のそれに比べて長いという。
屋久島では、屋久杉と言われるのは樹齢千年以上のものを指し、千年以下百年以上のものは小杉と言い、百年以下の杉は地杉と言っているそうだ。
ちなみに樹齢が世界一と言われている縄文杉では樹齢7200年。今回我々が見た紀元杉では樹齢3000年との事。
屋久島杉と言われる樹齢の長い杉は標高500メートル以上の高いところで見られ、縄文杉は1500メートルの高地で歴史を積み重ねてきたと言う。
江戸時代に行われた伐採でも生き残ったのは、高地にあったことに加えて本土の杉に比べ10〜20倍も有るという樹脂による瘤で伐採に適さなかったと言うことである。
屋久杉ランドでは20分程度の散策を楽しんだが、深い森の中で静かに自然の厳しさと闘いながら息づいてきた杉には精霊が宿っているように思われた。深呼吸すると、胸の奥深くまで杉の香りが吸い込まれ、足元に流れる清流の音に耳を澄ますと日頃の雑音は一気に遠ざかっていった。
屋久杉ランドの清流をバックに。
この上にはつり橋がかかり、水は冷たく澄んでいる。
紀元杉とともに。上の方は落雷で折れてしまったそうで、このように樹齢の長い杉はほとんどが落雷で上の方が無くなってしまい、低くずんぐりとした形をとっているものが多いそうだ。
屋久杉ランドを後にして今夜の宿泊予定の民宿“たんぽぽ”へ向かう。
夕食は真邉先生のお友達のお店で珍しい海の幸をお腹いっぱい頂き本当に幸せ!
【8月26日】
レンタカーを借りて島内一周。その前に各自お土産を調達し、準備万端。
10時に宮之浦を出発。最初の観光は“志戸子ガジュマル園”へ。
ガジュマルやクワズイモなどの熱帯地方の植物に囲まれ南の国に行ったような気分。
次に訪れたのは“矢筈岬”
海岸に向かって散策をし、“一湊灯台”
“八幡神社”に寄る。
“一湊”は真邉先生のご出身の地。先生は駆け足で親戚にご挨拶とお墓参りを。
我々はのんびりと港の散策。真邉先生のご実家の前でも一枚。
昼食を取れるお店を探しながら海辺をドライブ。海亀の産卵で知られる“いなか浜”に到着し、少し砂浜を歩くと孵化した海亀の卵の殻を見つける。ピンポンボールのような殻だが、孵化する前はやや空気の抜けたゴムマリの様な卵だそうだ。
“永田”で昼食を摂り、“大川の滝”に寄る。落差88メートルの雄大な滝の前でしばし涼をとる。滝の前にいる人間はそのスケールの大きさの前にはほとんど人形のようにしか見えない。自然の凄さをまざまざと感じる。
小さなカメラには収まりきらないほどのスケールの大きい雄大な滝だったが、屋久島にはもっと大きな滝があるという。やっぱり自然の宝庫だ!
ドライブに疲れたので、少し温泉につかることに。“平内海中温泉”を目指すが、通り過ぎ
“尾之間”部落の町営の温泉に入る。
今夜の宿、旅館“かもめ荘”を目指す。今回の旅のメインとなる流れ船だ。少し雨があたってきたが、何とかもってくれそう。
6時に船は岸を離れた。始めに上流に向かい渓流の雰囲気を楽しむ。山と山に挟まれた安房川は、深いところはエメラルドグリーンの水面が山の緑と絶妙なコントラストを演出している。浅瀬は川の底まで見える透明度で、子供たちは引き潮になると中州で遊ぶと言う。
まったく自然の恩恵をいっぱい受けて自然と共生しているのが屋久島の生活だと思った。
美しい景色と船上の美味しい食事にすっかり満足し、おまけにカラオケまで始まって写真撮影はすっかりお留守になってしまい、残念ながら夕暮れの美しい安房川の風景は無し。
これ以上の贅沢は無いと、満ち足りた気分で宿に入り一日を終る。
【8月27日】
いよいよ今日は屋久島を後にする。飛行機の時間まで屋久島を楽しもうと、“屋久杉記念館”へと向かう。館内は屋久杉を利用して作られており、さまざまなメディアを利用して屋久杉の紹介をしていた。長い間土に埋もれていた“土埋杉”から工芸品が作られ、生活の中に屋久杉は密着している。
最後に屋久島の海の幸を昼食にとってから空港へと向かう。
飛行機はYS11型機。これもなかなか出来ない珍しい経験となる。
最後にツアーコンダクターのようにお世話して下さった真邉先生と、二日間のドライバーを務めてくれた作宮さんに心から感謝します。
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