「自分の研究について多くの人の前で発表してみようではなか!」





国際情報
専攻
笹田佳宏



論文題目「テレビ報道にみる『政治的公平』を“選挙報道のウソほんと!”として、目前に迫っていた参院選挙報道について注意を喚起した笹田佳宏氏(近藤ゼミ)。

「自分の研究について多くの人の前で発表してみようではなか!」。だれが言い出したのかは忘れたが、この企画はあっというまに実現に向けて走りだした。

近藤ゼミでは毎月1回はゼミを開催し、修士論文作成に向けた研究について、各自が毎回報告、ゼミ生同士で意見交換を行っている。遠距離で参加が難しいゼミ生もいるため、大学院で用意している、“テレビ会議”システムも十分に活用している(回線の関係で時々、通信状態に難がある場合もあるが、遠距離でもゼミに参加できる意義は大きい!)。ゼミ生には、いろいろな分野で仕事、活躍している人がそろっており、発表されたテーマについて多角的な視点での意見が次から次へと飛び出す。発表者は参考になるやら、頭の中が混乱するやら(私だけかもしれないが)、とにかく活発な議論が行われている。

我々、近藤ゼミ2期生が大学院に入学し、こうした議論を1年近く行ってきた2月のゼミの後の飲み会で、冒頭の「自分の研究について多くの人の前で発表してみようではなか!」の発言が飛び出した。そろそろ研究を修士論文という形にしていくことに真剣に取り組みはじめようとしていた頃である。

酔った勢い?話しはトントン拍子に進み、7月20日に予定されている公開講座の前座という発表の場が設定された。真意のところは、ゼミ以外の人々に発表するという形をとることで、自分の研究・修士論文の方向性をよりハッキリさせようという趣旨ではなかっただろうかと、私個人としては感じている。

公開講座のメインは、我々の同期でもある、作家の星亮一さんよる「よみなおし戊辰戦争〜日本誕生の光と影」。この前座として「修士論文中間発表会」が行われることになった。大学院事務課、先生方のご協力を頂くのはもちろんであるが、自分達で設定したのだから、公開講座の案内パンフレット作成や配布も我々の仕事である。まずは、案内パンフレットの作成に取り組んだ。対象は、これまでの公開講座と同様に大学院周辺にお住まいの方々が中心であるため、修士論文の題名である「〇〇における一考察」などの堅いタイトルでは、魅力がないということになり、なぜ福岡なのかは別として、福岡で合宿を開いて発表会での表題を決める“タイトル会議”を開催、「情報長者になる方法」、「選挙報道のウソほんと!」、「テレビって悪者?」などなどのタイトルを決定していった。

7月20日の開催に因んでキャッチフレーズは「海の日です。みなさんも知の海へ出かけませんか?」。我々と同じく国際情報専攻の武田里子さんも中間発表の企画に加わっていただき、星さんの講演部分をメインにしたパンフレットを近藤ゼミの橋本さんが作成してくれた。配布についても橋本さんにご苦労をかけるとともに、なんと近藤先生にも暑いなかお手伝いをいただいた。(みなさまありがとうございます。)

こうして、7月20日の当日を迎えたわけです。発表の各人は、緊張の面持ちで午後1時30分を迎えたものの、聴衆の入りはいまいち。星さんの講演の前座とはわかっていたが…。ところが、いざ自分の発表になって見ると、聴衆の数など全く関係なく、改めて自分の研究について人前で発表することの難しさを体験することになった。原稿は用意が、人に伝える難しさはやってみて初めて分かるもの。まさに百聞は一見にしかず。

各人の発表内容については、割愛させていただきますが、この修士論文発表会が発表した各個人にとって、良い経験となり大成功であったことは間違いないと思います。

論文題目「グローバル化時代における日本の労働市場と留学生をめぐる考察」を“金太郎飴はもういらない”として、留学生を雇用する利点を説明した武田里子氏(長谷川ゼミ) 論文題目「Vチップ導入の是非−テレビの有害情報規制についての−考察」を“テレビって悪者”として、規制の必要性を訴えた中島清人氏(近藤ゼミ) 論文題目「情報格差の要因と対策」を“情報長者になる方法”として、近隣の高齢者を視座に情報化時代への対処法を紹介した橋本信彦氏(近藤ゼミ)