院生交遊録
「熟年三銃士のひとりの夏」





国際情報専攻
三浦 悟

人事異動 〜 熟年三銃士からの離脱? 〜

 熟年三銃士の長老である望木昌彦さんや星 亮一さんは福島県を基盤に活躍するふたりですが、三番目の私は転勤族です。

 その転勤族が郡山市を去りました。

 「郡山でやりたいことはまだまだある。」と今年の春の異動話を上司に懇願して伸ばしてもらい、「契約更改は終わった。これで少なくとも一年はいられる。」と喜んだのは年度のスタートの時でした。

 でも、「今度はわかったが、次の機会には断れないよ。」と言われた次の機会とは「7月?!」という気がかりが的中してしまいました。

 契約更改の期間は一年ではなく3ヶ月でした。

 熟年三銃士として郡山でやろうとしていたことは?!


夏の引越し 〜 おのぼりさん状態 〜

 寒い時期の異動しか経験無かっただけに、今夏の猛暑には参りました。

 特に引越しは大変!

 取り付けてもらったエアコンは不良品で、メーカーには替わりの機器はあるものの、工事の手配がつかず、しばらくおあずけ。

 空調の効いたオフィスからサウナ状態の社宅へ帰るのは楽しいものではありません。

 新しい職務は未経験の世界だけに仕事に慣れる前にまずは久々の東京に慣れようと出かけるも、この猛暑は先に仕事を覚えろと言っているらしく、デスクに向かってオロオロするばかり。長女と同居することになった社宅界隈も新鮮で、あっちでキョロキョロこっちでウロウロ。
 まるでおのぼりさん状態です。



時間よ止まれ 〜 早すぎる時間に焦り 〜

 東京の時間は慌しく過ぎていきます。

 大学院生として当面のライバルでもある長女は修了に向けてせっせと論文をまとめたり、修演をめざして頑張っているのを尻目に、気持ちは新たな仕事のこと、前任地に残した宿題のことで精一杯。娘の口から出る「このままでは修了できない。」という言葉はむしろ私の焦りの気持ちを表しているかのようです。

 たった3日間ですが、正月以来の帰省をしました。

 80になる母の住む町は陸中海岸の小さな町です。

 そこでは時間がゆっくり流れていました。

 町で出会う人たちと私との年齢の差は変わらないのに、なにかゆったりしています。

「ああ。皆、歳をとったんだな。」


残された宿題 〜 全ては後任に託す? 〜

 郡山を去るにあたってたくさんの宿題を残してきた気分です。

 2年5ヶ月在任した土地だけに、仕事の上でやってきたこと、地域の方々と一緒になってやっていたことが全てある時点で止まってしまったような気がしています。

 「全ては後任に託しました。」と仕事上のことは引継ぎできても、それですまされないものもあります。

 熟年三銃士のひとりとして郡山でいろいろやろうと言ったことまで捨てて「熟年三銃士から離脱します。」と言っていいの?

 短い夏休みにこれまでのやり残しをあらためて考え直しながら、時間の早い東京に舞い戻りました。