国際情報専攻 内山幹子

中国にとって望ましき米国

「世界の良きリーダーとしての自覚を」
 現在の米国に必要なのは、世界の良き指導者としての自覚である。世界の良き指導者の条件としては、他国が抱える事情・背景をも踏まえて他国を理解できることと、地球規模の課題の解決において有効なリーダーシップを発揮することがあげられる。

 一番目の条件については、より具体的には中国国内の人権問題に対するより深い理解を求めたい。中国はあらゆる観点から発展途上にあり、人権が先進国並みに確立されるには、時間を要する。

 二番目の条件については、軍拡競争を加速させるようなミサイル防衛構想の推進を米国は中断し、環境問題におけるリーダーシップを発揮させるべく、いわゆる京都議定書を批准すべきである。そして同議定書にからむ途上国への協力を積極的に行うべきである。このような米国の姿勢は、中国のみならず、世界全ての国々が歓迎するものである。


米国にとって望ましき中国

「ルールある国際社会の一員であれ」

現在の中国には次の三点を米国側より求めたい。

1 中国は世界貿易機構(WTO)への加盟が予定されており、国際社会において確立された、あるいは確立されつつあるルールに従って貿易競争を行うこと。

2 経済分野に限らず、人権などの他の分野においても、先進国並みの水準に達するよう努力すること。

3 国際社会における中国に対する理解をよりよいものとするために、より積極的に情報を開示すること。

 面積、人口、歴史、文化などあらゆる観点から大国である中国に対する国際社会の期待は大きい。今後、米国は、共に世界の大国として、中国とよりよい関係を築いていきたいと考えている。