国際情報専攻 村上恒夫

中国にとって望ましき米国

「信頼と友好の前に」

人間は平等であるべきだ。しかし、米国と中国では命の重さが違う。「アジア的文化の特性」と中国は弁明するが、そのような言葉で片付けられる問題ではない。人間が人としてどのように扱われるのか、その問題が解決されない限り、真の信頼関係を築くのは難しい。

中国は20億の人口を抱える大国である。さらに、最近では軍事力の近代化を急ピッチで進める軍事大国でもある。そのような国家が人権を軽んずることに対して、非常に嫌悪を感じる。まして、最近の中国の経済発展を見れば、経済大国となる可能性を秘めているのだ。将来において、経済問題から軍事紛争が起こる可能性もゼロではない。

信頼関係を作ることは、単に相手国を理解するなどの文化的理解だけではあまりにも表面的過ぎる。中国人の命が米国人の命と同じように扱われること。つまり、最低限のモラルが共有できること。この要求が通らない限り、米国は中国を見下し、信用しないだろう。


米国にとって望ましき中国

「我愛美国」

親愛なる米国人民ならびに大統領閣下、貴国が我が人民および党に対して偏見の念を持たれている事に対して、我が国は非常に遺憾の念を持っております。

どうやら貴国では「ジャッキーチェン」が我が国の指導者であると勘違いされておいでのようです。また、今では廟の中で永遠の眠りについている、我が人民の英雄である「毛主席」が今でも存命し、党と人民を指導しているかのように思われているのかもしれません。まあ、我が国の有名人の中に「李登輝」がいなかっただけ、まだましですが。

我々は今や、人民服を着て「毛沢東語録」を掲げる過激な共産主義者ではありません。経済発展をし、豊かな国の仲間入りを希望するだけなのです。戦犯を神様として崇め、貴国の足下に跪き、キスする島国のようにはなれませんが、我が人民は貴国を尊敬しております。願わくば、我が国を理解し、瑣末なことに拘らず、広い心で見て下さるように。