国際情報専攻 三宅尚隆

中国にとって望ましき米国

「中国における貢献とは」

中国は殖民地時代を経験したアジアの大国である。近代史において、中国は「アヘン戦争」を機に列強に殖民地化を余儀なくされ、支配をうけた暗い歴史を持っている。第二次世界大戦後、中国は、毛沢東による中国統一を成し遂げて以来、人民の安定した生活が維持されていた。それゆえに、中国は、二度と諸外国の支配を受けずにアジアの覇権者としての地位を確保し、社会主義下の市場経済の発展を望んでいる。我々は、世界一の資本主義の国、米国の中国社会に対する理解と経済的援助を不可欠と考え、必要としている。

しかし、中国は米国の「人権」と「台湾の独立」問題による要求は別であると考えている。この事は経済援助とは切り離すべきだと主張している。米国が要求している事は「内政干渉」であり、民主主義に対する考え方は民族間によって相違がある。米国が双方の国益を重視するならば、中国に対し更に経済的、技術的援助を中心にした努力が肝要である。


米国にとって望ましき中国

「経済パートナーとしての中国」

米国は中国をもって「アジア」を連想する。中国は米国にとって未だに「未知な国」であると共に、アジアにおける利害の共有に必要不可欠な存在である。確かに過去に朝鮮、ベトナム戦争とアジアの覇権者の地位を争った歴史があるのは事実である。しかし、米国は自国の国益とアジアの治安維持の為に、中国のアジアにおける覇権主義を中心にした外交、軍事政策に妥協案を探ると共に、理解を示す事が肝要だと認識しているのである。

中国は社会主義下の市場経済の発展に成果を上げている。その経済発展は、自国の努力と欧米諸国の経済及び技術援助が寄与しているのである。特に最も投資している国、米国は、「台湾」と「人権主義」の問題とからめて、中国の多大な市場や労働力と取引をしようとしているのである。ブッシュ政権下では「台湾」や「人権問題」より、今後経済的発展が確実と予想される中国との経済的パートナーシップを結ぶ事が第一であると考えている。