国際情報専攻 小関一光

中国にとって望ましき米国

「大国中国の果たす役割」

中国の国民は米国へのあこがれが強い。米国へ行きたい中国人は国民の3分の2に及んでいる。また、米国人も中国人の勤勉さなどを高く評価している。この2つの大国は、国民レベルにおいてはお互いを認め合う良い関係である。

 しかし、国と国との関係においては、そうとも言えない。米国は中国の人権抑圧や軍事問題、経済問題などさまざま注文をつけており、その都度、外交交渉が行われている。 中国は覇権主義反対を唱えており米国の言うことに対して、したたかに対応している。 これらについて、中国側に立ってみてみると、大国を自負する中国は他国からのいかなる干渉も受けたくないであろうし、また、受け付けないのである。

しかし、WTOの加盟問題、北京オリンピックの開催等でそうとも言っていられないのである。中国が大国としてのどのように責任を果たすか米国を含め世界中が見守っている。


米国にとって望ましき中国

「一筋縄ではいかない中国」

米国では中国の国際社会への登場、そして、台頭に身構える空気がでてきている。 米国の調査会社が行ったアンケートで中国に描くイメージで最も多かったものは、「非常に力のある国」と同時に「人権抑圧」というものであった。

米国メディアから発信されているニュースやジャーナリズムから映る中国像は人権抑圧国家・覇権主義の国家像が映っている。また、先頃起きた中国軍空軍機と米国空軍機の接触事故において、互角に渡り合う姿を見ると実際の国力以上に大きく映っていた。

このような中国を見ていると、経済的には開発途上であるかもしれないが、大国としての意識が十分に感じられる。もう一方の大国である米国は、中国に対して大国としての義務を果たすよう求めている。それは、人権問題であり軍事問題であり経済的なルールであるが、中国はこれらのことについて一筋縄ではいきそうもない。このことは、米国も常に感じている。