国際情報専攻 木村栄宏

中国にとって望ましき米国

「将来のお得意様を大切に」

数千年の歴史を誇るかつての大国・中国は、今では欧米先進諸国に多くの面で劣後する国となっている。ところが、昔の歴史的経緯や人口の多さ、国内のルールが米国のルールと相違する事から、米国の基準に則った見方で判断された場合には、どうしても「ずるい」とか「アンフェア」と見なされてしまう。

 中国は巨大な人口を有する国内をまとめる為に外に対して国益を優先する。その姿が覇権主義とか人権抑圧というイメージを与える一因とも言える。しかし、中国にとってみれば当然の事を表明しているだけで、米国の中国への言動は内政干渉と思わざるを得ない。

中国はその人口から将来的に米国製品やサービスを多大に必要とする「消費大国」になる。中国の現状を米国は良く理解し、将来の米国の更なる大ユーザーになることを見越して、中国を当面暖かく見守ることが望ましい。

中国は米国にとって、近未来のお得意様である。お得意様は大切に育てて欲しい。


米国にとって望ましき中国

「共に大国として」

米国にとっての中国に対するイメージは、“不等”“アンフェア”等である。天安門事件の不等な民主弾圧、知的財産権に代表されるアンフェアな行為等に起因する貿易不均衡問題など、枚挙にいとまがない。

一方、米国民にとって、中国人に対しては勤勉だしエネルギッシュと、大変好感を持ってとらえている。中国に対して米国は必ずしも否定的とか批判的なわけではない。

ところが、中国自身は自国の事を「発展途上」「遅れているのだからなぜ助けない」等々と、実際には「大国」であるに関わらず、弱者の立場を強調しすぎている。

中国は繊維品では圧倒的、工業製品でも世界を席巻している大国である。東西の別がない今、中国には米国と共に「大国」としての認識の上に、共通のルールの上に立って共に世界を導いてほしい。中国と米国は共に世界をリードし、「共生」していく事、これが米国にとって望ましい姿である。