国際情報専攻 鹿島鉄雄

中国にとって望ましき米国

「高度経済成長へ米国の支援を」

中国の直面する課題は先進国への仲間入りである。そのために世界経済の覇権を握る米国の支援が必要である。 中国は米国に積極的な投資、WTO参加への支援や貿易量の拡大などを欲している。 今や中国は電機、繊維、衣類などの分野では世界有数の工業国になった。今後は特に国の戦略としてIT技術産業を育成していく。この点でも米国の支援に期待している。

次の課題は国内体制を維持しつつ、段階的な民主化を進めることである。 民度レベルが西欧や日本に比較して遅れている。これは歴史的経緯などの面からして当然である。 その中国の現状を無視して人権問題を外交問題化している米国のやりかたは大変迷惑である。

軍事面では米国の一極集中を避ける面からも当面、ロシアと連携し世界のバランスを取っていくが隣国の北朝鮮については中国の経済力のみでは救えない。 是非、米国の長期にわたる経済支援に期待する。


米国にとって望ましき中国

「中国はアメリカ経済発展のパートナー」

米国は軍事面では中ソ合わせても米国には及ばない様にするために中国の産業を軍事面よりも民生面に誘導しようとしている。 その手段としてWTO参加などで中国を取り込み、経済面での成長を支援する。 これで拡大された中国の市場で米国が大きなシェアを占める。

これを実現する為には中国の内政の安定化を進める必要がある。安定化の第一は資本主義経済体制の確立である。 そのため、グローバル・スタンダード(実は多くはアメリカン・スタンダード)を世界共通のルールとして中国に厳正なる適用を要求していく。 第二は民主主義の発展である。特に人権問題は世界の民主主義を標榜する米国人にとって受け入れ難い問題である。米国人の感情的な面もあるが、 中国も世界に対し明確な方向を示す必要がある。あわせて、西欧社会の文化・文明を学ぶと共に国際交流を促進し、人民の“民度”を上げることにより“わかり易い国”に変革していくことが求められる。