国際情報専攻　井澤真理子

中国にとって望ましき米国

「より良い共存を望む」

米国は、我々中国人にとって、あこがれと憎悪が入り混じった国だ。政治、経済、 技術面では、世界のトップクラス、我々にとっては、まだ手が届かない大国だ。ま た、民主的で、自由で解放的、無限の可能性を生かせる国と考える若者も多い。経済 的に、米国に追いつき、追い越せが、我々中国人の目標だ。

こんな我々に対し、米国は、人権問題について、いろいろと注文をつけてくる。確 かに米国は、我々にとって目標の国だが、米国のシステムすべてを手本にしようとは 考えていない。我々には、数千年の長い歴史があり、我々なりにノウハウを蓄え、最 良と考えるシステムで、国を運営してきた。歴史が浅く、文化が全く異なる米国が、 我々に口を出すことは、望ましいことではない。それはまさに、米国の独りよがりの 覇権主義でしかない。

我々は、経済、技術面の支援を米国に望んでいる。互いの国情を理解し、より良い 共存の道を推進するパートナーであってほしい。

米国にとって望ましき中国

「基本的人権の尊重を望む」

多大な人口をかかえる中国は、我々米国にとって、巨大市場として、大変魅力的な 国だ。また、中国人の勤勉さ、エネルギッシュさは、米国でも定評がある。

こんな中国人と我々米国人は、仲良く共存していきたいと考えている。しかし、中 国では、政治思想犯や、法輪功に集う人々を、自国民でありながら弾圧する。これは 我々米国人にとって、許しがたいことである。

言論、宗教の自由は、人間に与えられた基本的人権であり、これをないがしろにす る中国政府の態度は、大いに問題がある。我々米国が満足する基本的人権を、中国が 尊重できないならば、我々は中国と、距離を置かざるを得ない。

我々は、中国を重要なパートナーと考えている。中国とは良好な関係を築いていき たい。そのためには、我々が重要と考える基本的人権を尊重する政策を、中国政府が 実施されることを、強く望む。