国際情報専攻 石井忠史

中国にとって望ましき米国

「アジアの民主国家とリーダーシップ」

近年、中国の市場経済発展と軍事力強化は著しいものがある。一方で人権や言論、 政治的異分子弾圧は旧態依然として、非民主的である。世界の二大大国として、米国 が中国に望むことは、アジアにおけるリーダーシップを発揮することであろう。

そのためには、@政治的思想の自由を認めるべきである。共産主義以外の思想を認 めないことは、世界的に遅れを取ることになる。政治改革を断行し、全国民に選挙権 を与え、民主的政治に移行することによって、人権尊重、言論の自由、経済発展、国 民の生活向上に繋がるだろう。

さらに、A軍事力を自衛権の範囲内に縮小し、平和維持に方向転換すべきである。 軍事力の強化は、軍事費の膨大な費消は国家建設を遅らせ、米国のみならず近隣諸国 にも脅威を与えることになる。近隣諸国に対しては、相互協力となる平和条約を締結 し、共存共栄を図り、また、台湾を中国の領土と認めることに異存はないが、武力で 統合すべきではない。


米国にとって望ましき中国

「他国の平和と共存共栄の実行」

米国は世界一の経済大国であり、民主国家であることは疑う余地もない。しかし、 共産主義政策を嫌い、中国への内政干渉は著しいものがある。また、ハイテク兵器の 開発は、ソ連崩壊後の現在、中国を敵対視しているとしか思えない。中国が米国に望 むことは、他国への力による介入を止め、平和的方式で全世界に対するリーダーシッ プを発揮し、共存共栄を実行することであろう。

中国に対しては、@市場経済発展のための経済援助や技術援助を積極的に実施すべ きである。中国12.6億人の労働人口は米国に大いに役立つのは間違いない。

また米国は、A世界の警察官的役割を軍事力の強化に求めるのではなく、国家威信 を発揮する方法でこの役割を果たすべきである。軍縮こそ中国をはじめとする世界各 国にとって歓迎するものであろう。なお、台湾問題は中国自身の問題であるが、「中 国は1つである」と認める米国の力により、国連の場で解決するよう望む。