国際情報専攻 花岡宏伸

中国にとって望ましき米国

「迷惑な米国の内政干渉」

中国は、近年、社会主義体制を堅持しながら改革開放政策を断行し、資本主義体制との共存を模索している。最近、ようやく経済発展が軌道に乗り、政治的にも安定してきたところであるが、未だ中国は、米国を目標とする発展途上の国である。12億の国民に等しく糧を与えるために、米国からの技術・経済援助を必要としているのである。

中国にとって、米国は自由、民主、開放のあこがれの国であり、子供を留学させたい理想の国である。問題は、米中軍用機接触事故でも判るとおり、米国が過剰に中国を意識する余り、中国の内政、経済、文化、軍事面にまで干渉してくることである。天安門事件後の人権問題に対する横やりも困りものである。

中国は、良識のある国家として成長している、自国のことは、自国内で解決するので、これ以上の内政干渉はごめん蒙りたい。米国には、いつの日か、中国が肩を並べるまで、中国の目標であり、支援者であり続けてもらいたい。


米国にとって望ましき中国

「気になる中国の大国化」

米国は、中国が国力を付け、米国と互角に渡り合う旧ソ連のようになることを望んではいない。しかし、最近の中国の急速な経済発展は目を見張るものがある。米国に匹敵する国土と12億の人口が生み出すエネルギーには、米国としても驚異を感じざるを得ない。

米国の本音は、中国が高度技術を駆使する経済大国にはならず、あくまでも米国製品、サービス産業の消費国であり、生産工場であり続けることを強く望んでいる。そのためにも、WTO加盟を促進させ、自由経済圏の一員として国際ルールに従った、節度ある経済活動を願っているのである。

一方、米国は、天安門事件で表面化した、中国の民主化運動に対する人権抑圧、大国を意識した軍備拡大が、新たな台湾海峡の緊張を生んでいることを危惧している。中国が良識ある国家として、人権向上に取り組み、また世界の秩序を守る立場から、世界のリーダーである米国の主張に耳を傾けてくれることを強く望んでいる。