国際情報専攻 藤原浩之

中国にとって望ましき米国

「強者は寛容であれ」

米国は、圧倒的な軍事力や経済力を背景に、他国に対し自国の価値観に基づくルールを強要している。だが、その国際社会における影響力の行使について、自制心を持つべきだ。

市場経済において優位に立ち、開発途上国との経済格差を拡大し続ける米国は、国際問題について、自国の国益のみを重視したルール作りを進めるべきではない。

多国間での国際共通ルール作りにこそリーダーシップを発揮して真剣に取り組み、南北間の経済的ギャップを埋めることや、途上国の経済発展を促すことが望まれる。

また、各国の政治、社会や経済運営方法などには、各々文化的、歴史的背景の違いから生じる多様性がある。それに対して自国の価値基準によって一方的な批判を加えたり、正義か不正義かを断じて制裁を行うようなことは、厳に慎む必要がある。

超大国としての米国に求められるものは、強い使命感ではなく寛容さ、冷静さや謙虚さを養うことだろう。


米国にとって望ましき中国

「ゲームのルールには従うこと」

中国が世界経済の秩序を乱すような振舞いをしたり、新たな秩序体系を提示することで現在の米国経済の優位性を脅かすのは、好ましくない。

中国に望まれるのは、これまで先進国間の協調によって構築してきた国際ルールに従うか、謙虚に協議に応じることだ。

他国の迷惑を顧みないダンピング輸出や、国内市場における不公正な規制などを中国に思いとどまらせる必要がある。

その方策の一つとして、中国の政治システムや言論の民主化を促すべきだ。中国国内の世論や多様な政治勢力に訴えることができれば、外交交渉以外にも中国に対する圧力を行使する道が広がる。結果として、独裁的政権による独善的な判断を排し、国際社会の中で中国を良き隣人とすることができるだろう。

大国意識の強い中国は、周辺諸国との利害衝突が厳しくなると、軍事的冒険に走る危険性も見逃せない。そうした動きを牽制するためにも、国内での健全な批判勢力の育成は望ましい。