「論文資料収集の旅」

国際情報専攻 村上恒夫

著者紹介:
妻、母親、猫(♀)、私以外はすべて女性という中で、日々女性パワーと戦っています。
お酒が弱いくせにビールが大好きで、中年太りに拍車がかかる日々です。
仕事は防災関係のコンピュータシステムの開発をしていまして、1年の内、約3ヶ月くらいは各地を放浪して、美味しいお店を探して食べ呑みまくっています。


久々に休みの日ができたので、妻のサービスを兼ねて論文資料を集めに多摩川の上流を訪ねた。

途中、神社好きの妻が御岳神社に参拝したいと言うので、御岳山をケーブルカーで登った。

中高年向けの登山に向くらしく、周りは高齢の方々ばかりで、登山スタイルも決まっていた。

その時我々夫婦のいでたちが周囲から浮いているのに気が付けばよかったのだが。。。。

ケーブルカーからリフトに乗り換え、展望台に降り立つと周囲にはまだ残雪がかなり有り、普通の靴では歩き辛い。

なるほど、周囲は登山の格好をした人ばかりなのもうなずける。

東京とは名ばかりの大自然の真ん中である。

我々の靴ではとても先へは進めず、神社参拝は断念した。

晴れた日には遠く新宿の高層ビル等が見渡せるそうだが、今日に限って、ガスが多く見晴らしが悪かった。

普段の行いの悪さが出てしまったようだ。

あまりに寒いため、すばやく下山し、一路奥多摩湖を目指すことにした。

妻は日大通信の7年生で、崖淵に立たされている。

卒業論文は石川達三がテーマだそうで、彼の小説の舞台になった奥多摩湖を見ることで、奮起するそうだが。

奥多摩湖に着いて、写真を取り資料館を訪ね郷土史の資料などを買い集めた。

普段はなにげなく通り過ぎる、このような資料館も、なかなか利用価値があるのだと再認識した。

強風が吹きすさぶダムの堰堤を歩きながら、必要な資料が果たして十分そろうだろうか?

来年には論文が完成するのだろうか?色々思いを巡らしながら遠くの山を見た。

そうだ、春になったら真っ先に、この川の水源を訪ねてみよう。

この川の最初の一滴をこの手ですくってみよう。

そして、そのの一滴に心を込めて言おう。

これからの河口までの138Kmの旅に一言。「頑張れ、俺も頑張るから。」