香港株式市場の見通し

 

国際情報専攻 岡野直行

年明けの株式相場は、1月は一段高となったものの2月に入ってからは弱含みで推移している。

<ハンセン指数のチャート>

http://finance.yahoo.com/q?s=^HSI&d=1y

それぞれ、米国での利下げ効果とNASDAQとの連動性に起因するものだ。香港では通貨を米ドルに固定しているので、金利の方向は米国に連動する。一方で経済は隣接する中国景気に大きく依存する。

他方、短期的な株価変動は時価総額の大きな海外株式市場(特に米国)の動向に影響され易い。つまり現在の株式市場は、金利低下と景気回復が同時に起きていて、ファンダメンタルズは良好だが、NASDAQ市場の下落など外部要因が足を引っぱっている状況だ。

 

 ところで向こう1218ケ月の投資期間を考えると、鍵となる中国経済は域内貿易と公共投資によって成長を続けながら、個人消費を中心とする内需の拡大やWTOへの加盟で、海外からの直接投資の盛り上がりが期待される。

それでも景気サイクルは若いのでインフレの心配は少ない。息切れが心配される米国経済とは対照的に21世紀初頭の世界経済の牽引役となるだろう。

 

さて具体的な投資判断としては、外部要因の不透明感によって弱含んでいるときこそ買い場である。個別では香港の不動産業界最大手の長江実業に注目している。

<長江実業のホームページ>

http://www.ckh.com.hk/index2.htm

 

香港政府は20023月までの住宅用途の公有地売却計画を大幅に削減したことで、向こう35年間は住宅市場の需給が好転する。