2000年 秋のヨーロッパ




人間科学専攻
吉田里美

著者紹介:

専攻は心理学・・・のはずでしたが、今は宗教哲学を学んでいます。大阪府在住、奈良県吉野出身の新米主婦です。

 夫が今しか長い休暇が取れないというので、大幅に遅れている学習計画を気にしつつ旅行に出かけました。ツアーに参加し13日間でローマ(第1号で山田佳男さんが詳しく紹介されました)、フィレンツェ、ベニス、ミラノ、パリ、モン・サン・ミッシェルを急ぎ足で駆け巡ってきました。古代ローマ時代、中世、ルネッサンス、近世、そして現代・・・どっしりと、本物のヨーロッパ文化がありました。けれど・・・無かったものもありました。



イタリアに無かったもの

  1. 自動車のサイドミラー(便器の便座とサイドミラーはイタリアではオプション扱い。)
  2. 高速道路料金所の渋滞(日立製の無人料金所では機械がナンバーを自動的に確認し、料金は銀行から自動的に支払われるそうです。どうして日本にはこのシステムが無いのでしょうか?)
  3. 洗車した車(一台も見ませんでした。)
  4. 夜も明るい道路(街灯が少ないため、自動車はライトを一日中つけて走っています。)
  5. 味のついたパン(パンに味がない分、料理の味が濃くなっているそうです。)
  6. ストライキの無い日(航空会社でさえ平気で24時間くらい遅れるそうで、添乗員さんはいつもハラハラ・イライラさせられるとのこと。私たちが行った日には某美術館が半日ストをしていました。予告も無く突然始まり、そしてまた突然解除されたストでした。)
  7. 快適な四つ星ホテル(四つ星のイメージが多少崩れました・・・)

フランスに無かったもの

  1. ロータリーの車線と、交通マナー(バカンスシーズンはさらにひどいということです。フランスでは少々の交通事故では警察は動いてくれないので、怒鳴りあって終わるそうです。)
  2. 英語が通じるタクシードライバー(行き先を書いたメモや地図があると安心です。有名な場所に行く場合は何とかなります。ロンシャン競馬場に行きたい、等と言い出すやっかいな夫を持った場合は苦労します。ドライバーさんがそこには行ったことがないと言い出し、ブローニュの森の中で車を止めて地図を広げて説明する羽目になりました。)
  3. 助手席に乗せてくれるタクシー(基本的に3人しか乗れません。けれども4人連れが後部座席に無理やり乗り込む光景を何度か見かけました。)
  4. 傘を使わず過ごせる日(雨女の威力は世界共通なのでしょうか。嵐さえ呼んでしまいました。風速70キロ! ユーロスターも止り、空港も一時閉鎖されました。)
  5. 非常階段の出口(某ホテルは改装中で滞在中に私たちの部屋の階にだけエレベーターが止らなくなりました。しかたがないので1階上で降り、非常階段を使うと、今度は非常階段に閉じ込められてしまいました。入ってきたドアも、出ようとするドアもカギがかかって開きません・・・。結局、非常電話でセキュリティを呼び、なんとか脱出できました。)

イタリアにもフランスにも無かったもの

  1. ユーロ通貨(レシートにはユーロ表示が必ずついていましたが、実際に流通しているところは見ませんでした。)
  2. 無料のトイレ(百貨店やサービスエリア、みやげ物屋以外にはありません。レストランや喫茶店等で入ると安心です。)
  3. 無料の飲み水(空気が乾燥していたせいか、ずいぶん水を飲みました。)
  4. 日本人観光客のいない観光地(行動パターンがついつい画一的になりがちで・・・)
  5. 20世紀梨(パリのスーパーで、見つけた!と思って買ったのは梨ではなく、林檎でした。他の日本人も間違うほど外観がそっくり。パリでは安くて美味な洋梨を買いましょう。そうそう、道端で売っていたホカホカの焼き栗は、自然な甘さがツアーのみんなに好評でした。)
  6. ガイドさんから泥棒に気をつけなさいと言われない日(話に聞いていた以上に治安は悪いようです。私たちも何度か怪しげな人に狙われて怖い思いをしました。実際にローマのコロッセウムでカバンのファスナーを開けられた人や、ミラノのマクドナルドでクレジットカードと財布をすられた人がいました。パリの地下鉄1号線は便利ですが、観光客を狙った犯罪が多発しているようです。数人に囲まれて鞄を切られ、貴重品を盗まれたという話も聞きました。鞄をたすきがけにしただけで安心していてはいけません!)
  7. 日本人以外の人と話をする夫(海外では夫婦の会話が増えました。)
  8. 持っていったヘーゲルの本を読んでいる私(佐々木先生、ごめんなさい。)