国際情報専攻 西牟田邦彦

日本語の現状と将来

「記号化する言葉とコミュニケーション」

情報化社会の到来によって、伝達手段としての言葉の変貌ぶりも顕在化している。特に携帯電話や電子メールの普及に伴い、我が国でも若年層を中心とした日本語の使用形態が変化しており、このことが中高年層との認識の相違性を生み出し、世代間における相互理解の格差を助長している。

若年層が多用途化する通信機器を操り、時間、場所を問わず言葉を創発する傾向として、コミュニケーションの仕組みや形態をも変えてしまう力学が作用し、そこで使用される言葉も、空間に浮遊する単語としての日本語が、ただ流れている側面は否定できない。

飛び交う記号化した単語を繋ぎ、発信する若年層に、日本語の裏にある固有の価値を理解する努力がない限り、今の若年層がやがて大人になり、次世代へと伝えうる日本語の記号化にも一層拍車がかかるのではないだろうか。