国際情報専攻 久保 正敏

日本語の現状と将来

「キモイ」は辞典に載るか

 最近、日本語は短くなっているのだろうかと考えることがある。特に女子高生を中心とした10代後半の世代についてである。

「キモイ」という言葉がある。「気持ち悪い」という言葉の短縮であるらしい。まだ国語辞典には載ってはいないが、若い世代の間では立派に通用している。彼ら(彼女ら)が社会に出ても、この言葉は使われるだろう。

考えてみれば、「パソコン」という言葉にしても、本来は「パーソナルコンピュータ」の略である。しかし、今やコンピュータの代名詞のように使われている。英語においても、社名や条約名などは、先頭のイニシャルだけをつづる傾向が強い。このことは、特に若い世代の人が、言葉を短くしているのではないことを示している。

言葉は昔から略されて、短くなってきている。若い世代の人が発信源になっているだけである。そう考えると近い将来、想像もつかない日本語が辞典に載ることになるだろう。