国際情報専攻 日下田 伸

日本語の現状と将来

「言葉はコミュニケーションの手段にすぎない」

「日本語の乱れ」について話題に上ることがあるが、私は「乱れ」ているのではなくて「変化」しているのであって、社会が変化している以上は言葉が追従して変化していくことは当然であると考えている。

ただし、コミュニケーションの手段である以上は「通じ」なくては言葉としての意味を成さない。大切なのはコミュニケーションセンスであって、それは「正しい」日本語によるものではなく、相手に対して「適切な」日本語を用いることである。

例えば、「若者の言葉が分からない」という人は「言葉」が分からないのではなく「若者」が分からないのである。このようなコミュニケーションギャップ生じてしまうのは、一方が悪いのではなく双方の問題である。

自分達だけの言葉の世界に閉じこもる側、それを「乱れ」として批判するだけの側、このような関係はコミュニケーションの前提を見失っているとしか言いようがない。声高な「批判」ではなく、あたりまえの人と人との関係を見直すことが、日本語の適切な変化を促すのである。